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子宮筋腫の外科手術を解説

子宮筋腫の状態によっては、手術が必要になる事があります。良性ではありますが、場合によって治療が必要になる事を知っておきましょう。

子宮筋腫って手術が必要なの・・?

子宮筋腫は、子宮の筋肉の一部が腫瘍になったもので、できる位置によっては粘膜下筋腫や筋層内筋腫、漿膜下筋腫というタイプがあります。良性の腫瘍ですが、大きく成長する可能性があるので、筋腫の位置や大きさによっては手術が考えられます。

日本産科婦人科内視鏡学会のガイドラインによると、5~8cmを超える筋腫だと筋腫核出術が推奨されています。この方法は子宮を温存した状態で筋腫のみを取り除くといったものです。筋腫核出術だと、妊娠を望んでいる人にとっては安心できる治療方法です。筋腫が大きくて症状が重い場合だと、後に説明するような子宮の摘出をすることも検討されます。

子宮筋腫は開腹手術や腹腔鏡手術によって治療され、麻酔を使用して手術します。手術はあっという間に終わったと感じる女性が多いのですが、手術後が大変だったという声もあります。手術後には出血が起こることがあり、傷口からしばらくの間出血があり、膣を通して外に流れ出ます。数日間で止血されますが、止血されないときは再手術しなければなりません。手術後の痛みには個人差がありますが、強い痛みと吐き気を感じる女性は多いです。筋腫が大きかった場合は、胃腸が動くスペースが広くなるため、食事中に痛みを感じることがあります。時間の経過とともに痛みを感じなくなります。

手術をしても、子宮筋腫が再発する可能性があります。これは筋腫核出術の場合で、子宮筋腫の再発率は約20%だといわれています。手術後も経過観察が重要で、筋腫が大きくなれば再手術が必要です。

子宮筋腫の手術=子宮を摘出するの?

子宮筋腫の手術をするとなれば、筋腫のみを取る筋腫核出術、もしくは子宮をすべてとる子宮全摘手術をするかを考えなければなりません。

子宮筋腫ができれば、必ずしも子宮をとらなければいけないということではなく、筋腫の大きさによって治療法を検討するのが一般的です。妊娠や出産を希望する人なら筋腫核出術が最適で、特に妊娠を望まない人なら子宮全摘手術を選ぶことが考えられます。子宮をすべてとれば、子宮筋腫の再発を心配しなくていいし、子宮がんの心配もいりません。子宮筋腫による症状に悩まされることは今後ありません。しかし、子宮をすべてとるということで、自然妊娠ができなくなります。

一方で筋腫核出術は筋腫のみ取り除けても、再発の恐れがあるということが言えます。症状や筋腫の大きさ・位置を見て、今後自分が妊娠したいかどうかを考え、パートナーや医師と相談して、どちらの方法で手術するのかを決めなければなりません。

手術方法を選ぶポイントとして、入院期間や手術費用を比較することも大事になります。希望する手術方法では、大体いくらかかるのか調べておく必要があります。

また症状や手術方法によって回復までの時間も異なるので、普段通りの生活ができるまでどれくらいかかるのかを、医師に相談しましょう。

子宮全摘手術なら20~25万円かかり、膣式手術や腹腔鏡手術なら入院は5~8日、開腹手術なら7~14日かかります。

筋腫核出術なら子宮全摘手術よりも安く抑えられます。開腹手術なら入院に7~10日、費用は15~20万円かかります。腹腔鏡手術なら入院に5~8日、費用は20万円前後かかります。子宮鏡下手術なら入院に1~3日、費用は8~10万円かかります。

子宮筋腫の手術方法

子宮筋腫の手術には、いくつかの種類があります。それぞれの手術には、メリットはもちろんデメリットもあります。

開腹手術

お腹を切って行う手術です。もっとも安全性が高く、大きな筋腫がある場合や、筋腫の数が多い場合などに適しています。

しかし大掛かりな手術になるため、全身麻酔や、手術後の痛みは避けられません。

また、切開した跡も残りますし、さらに無理な動きをすると、ケロイド状の傷跡が残ってしまいます。

術後の入院期間も長く、他の手術に比べると、日常生活に戻るのに時間がかかってしまうので、患者に大きな負担がかかってしまうでしょう。

他の手術方法では難しい場合のみ、開腹手術と考えるのがベストです。

  • メリット
    お腹を開けるので、ほかの臓器との癒着なども確認しながら手術が進められるため、筋腫以外の異常が見つかった場合でも対応可能。
  • デメリット
    術後の痛みが強く、大きな傷跡が残る。
  • 費用
    6万程度

腹腔鏡手術

数箇所の切開した部分から内視鏡を入れ、モニターで観察しながら手術を行います。その際、内視鏡で見えやすくするためにお腹に炭酸ガスを入れます。

切開は、お腹に小さな穴をあけるだけなので、従来の開腹手術と比較すると、術後のダメージが少ないです。

そのため、入院期間も短く、元の生活に戻りやすいので、患者に優しい手術と言えるでしょう。

最近では、多くの婦人科良性疾患はこの腹腔鏡手術を受けられますが、婦人科悪性腫瘍など、腹腔鏡手術が難しい場合は、開腹手術になります。

  • メリット
    小さな穴をあけるだけなので、開腹手術と比べて傷口が小さく、術後の癒着も少ない。
  • デメリット
    設備の関係で、手術できる病院が限られる。難易度が高く、執刀する医師の技術に大きく依存する。
  • 費用
    6万程度

子宮鏡手術

子宮の内部に液体を注入し、膨らんだ子宮の内部に子宮口から内視鏡を入れて、モニターを見ながら、電気メスで切除する手術です。手術前日から入院し、大体1~3日で退院できます。

手術では、全身麻酔を使いますが、手術後の痛みはほとんどないです。

筋腫の大きさにもよりますが、手術時間も20~60分と短く、また、切開をするわけではないので腹腔内の環境に影響がありません。

他の手術に比べて、かなり身体への負担が少ないので、日常生活へも早く復帰できるでしょう。

  • メリット
    お腹に傷がつかない。術中の出血が少なく、術後の痛みも軽減される。
  • デメリット
    摘出できる筋腫の大きさに限界がある。子宮腔内の癒着や子宮穿孔(子宮に穴があくこと)が起こる場合がある。
  • 費用
    3万程度

膣式手術

膣から子宮頸部の周りに切れ目を入れて子宮を引き出し、子宮を全摘出する手術です。出産経験があり、癒着がなく、筋腫がそれほど大きくない場合に可能になります。

医療の発達が著しいアメリカでは、膣式手術がもっとも行われています。

日本においても、もかなり浸透してきましたが、この手術は視野が狭く、目で確認できる情報が少ないため、執刀医にとってはかなり難易度の高い手術となります。

しかし、切開手術のように皮膚を切りませんし、手術後の退院も早いので、患者は苦痛や負担が少ないです。

この手術を受けたい場合は、まず膣式手術ができる執刀医を探すのが良いでしょう。

  • メリット
    お腹に傷ができず、術後の回復が早く、痛みが軽い
  • デメリット
    術中、見える範囲が狭く、筋腫以外の異常に対応できない。腹腔鏡を併用することもある。
  • 費用
    4.5万程度

参照:琴似産科婦人科クリニック公式ホームページhttp://www.kotoni-ladies.or.jp/uterus/