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子宮筋腫と薬剤・漢方

ここでは、子宮筋腫の薬物治療と漢方による治療について紹介しています。

子宮筋腫の治療に用いられる薬物治療

婦人科などで一般的に行われる薬物療法は、筋腫がそれほど大きくなく、症状も強くない場合などに有効。子宮筋腫による症状を薬によってやわらげる対症療法です。

鎮痛剤や増血剤、止血剤などが用いられます。薬画像

  • 鎮痛剤
    月経痛が強いときに痛みを抑えるために用いられます。胃腸障害が起こることも。
  • 鉄剤・増血剤
    貧血の改善に用います。飲み薬のほか、注射で鉄分を直接注入する方法も。
  • 止血剤
    月経量が多い場合や貧血がある場合に、その症状を改善する目的で用いられます。

こうした薬物療法は、お腹も切らず、子宮を残すことができるので、体への負担もそれほど大きくはないというメリットがあります。

しかし、子宮筋腫の根本的な治療にはならないので、筋腫がさらに大きくなったり、症状が悪化する可能性もあります。

子宮筋腫を改善する効果のある漢方とは

子宮筋腫には手術や薬物療法といった方法がよく行われていますが、漢方薬による治療もおこなわれています。様々な治療法で使用されている漢方薬ですが、子宮筋腫の治療でも使われています。

漢方薬を使用する治療方法は、ホルモンバランスを整え、体質改善を促進する方法です。子宮筋腫そのものを改善するというよりは、筋腫によって引き起こされる症状を和らげる役割があり、症状を抑えることで筋腫の成長を止める効果もあります。漢方薬だけでは子宮筋腫を完治させるのは難しく、副作用のリスクがあるのも、この治療方法の特徴でもあります。漢方薬を服用すれば、子宮筋腫ができにくい体にすることも可能で、症状を悪化させたり、筋腫が再発したりすることを防ぐことに期待できます。

子宮筋腫の症状として、大きなもので不正出血があります。子宮筋腫に対する漢方薬の処方では、血流を改善する生薬を含む漢方薬が処方されます。それに、体質や症状に合った漢方薬が処方されます。漢方薬には、血の流れだけでなく、気の調子をよくする効果もあるので、症状が重い子宮筋腫にとっては、かなり効果的な治療ではないでしょうか。冷え性や血液不足も解消されるので、より健康的に過ごすことができます。

漢方医学で考えられている子宮筋腫の原因

漢方医学では子宮筋腫の原因を「気滞り」と「血オ」が主な原因だと考えられています。ここでは原因について理解を深めていきましょう。

気滞り

気とは目に見えない活力のことです。気は体中を回っているのが通常の状態。ですがストレスや緊張を感じると、気が操作できなくなり滞っている状態のことを「気滞り」と言います。この状態を放置していると、さらに気が滞り、血液の循環が悪くなることが挙げられ、心身ともにボロボロになってしまうことも…。

血オ

血オは、体全身を巡っている血液の循環が悪いことを指します。不規則な生活や栄養バランスの取れている食事を摂取していないと起こりやすいです。似たような例で言うと、血行障害が近いのではないでしょうか。漢方医学では、子宮筋腫になる理由として血液の循環も関係してくると言われているので、血流を良くすることを心がけていきましょう。

子宮筋腫に効果があると言われる漢方薬

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂皮など5種類の生薬が配合されており、主に血行促進に効果が期待できます。冷え性の改善、身体のうっ血緩和、消炎、鎮痛などに効果的です。
子宮筋腫の症状に対しては、不正出血の発生、経血にレバー状のかたまりがある、生理痛で痛む場所が決まっている、肩こりや頭痛などといった症状があるときにこれを処方すれば、症状が改善されます。

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

当帰や地黄など9種類の生薬が配合されています。含まれている生薬には、気血を補う作用があり、増血や血行促進によって、子宮や卵巣の働きをよくしていきます。
この漢方薬は、主に冷え性・貧血・めまい・肩こり・頭痛・生理不順といった、子宮筋腫による症状がある人に処方されます。また、これに含まれる生薬・党参によって、疲労回復や食欲促進などの効果にも期待できます。

血府逐瘀丸(けっぷちおがん)

血行促進や鎮痛に効果があり、川芎や紅花、桔梗根など11種類の生薬が配合されています。血府逐瘀丸の「逐」には、「質の悪い血を取り除く」という意味があります。そういった意味を持つ文字がある漢方薬なので、血の流れをよくするのにより効果的です。
子宮筋腫の症状の中で、肩こり・のぼせ・頭痛・動悸がある人に処方されます。血行促進に効果的な漢方薬です。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

大黄や桂皮など5種類の生薬を配合してつくられます。血流改善に効果がありますが、便秘の解消にも効果があることで知られています。便秘で体格がよく、体力のある人に処方されることが多いです。
子宮筋腫による便秘だけでなく、冷え性や頭痛、肩こり、耳鳴り、不眠などの精神症状といったものがある場合に、これが処方されます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

薬の名前にもある当帰と芍薬をはじめ、6種類の生薬が配合されています。当帰は血行促進に効果のある生薬で、芍薬は生理痛に効果があるといわれています。桃核承気湯とは異なり、体力のない人に処方されます。婦人科で処方されることが多く、月経異常や更年期障害に処方されます。そのほか、茯苓などの生薬が、余った水分をコントロールする作用を持ちます。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

芍薬や当帰のほか、牡丹皮や甘草、薄荷など10種類の生薬が配合されています。
脈や腹力が弱い人に処方され、胸や背中が急に熱くなって、それから寒くなるといった症状がある人に処方されます。痛みを和らげたり、余分な水分を取り除いたりする生薬も含まれているので、体力のない人に最適です。女性の心気症的傾向の症状に対して処方されてきました。

温経湯(うんけいとう)

芍薬や桂皮、人参など12種類の生薬が配合されています。桂皮などは体の深部を温めるのに効果的な生薬です。人参などは、胃腸を整える効果があります。
月経痛や生理不順などを伴い、腰回りや胃腸などの冷え性に効果があります。体の内部から改善する効果がありますが、経血量が少ない、皮膚が乾燥するといったうるおいの少なさを感じるときにも処方されます。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

この漢方薬は、名前の通り芍薬と甘草の2種類の生薬しか配合されていません。どちらの生薬も、痛みを緩和する作用を持っています。子宮筋腫による筋肉のけいれんを抑えるために処方されます。鎮痙作用のある芍薬と緩和作用のある甘草が、急に起こる筋肉のけいれんを抑えます。
他の漢方薬と比べ、甘草の含有量が多いので、副作用に注意が必要なものでもあります

折衝飲(せっしょういん)

血流の改善を促進する漢方薬で、桂枝茯苓丸に似た効果がある漢方薬でもあります。芍薬など9種類の生薬が配合されています。月経不順や月経痛に処方されるので、子宮筋腫の症状にも効果的です。延胡索や紅花などの止痛作用の強い生薬が入っていることで、筋腫による痛みを抑えていきます。
女性特有の痛みである生理痛や下腹部痛を抑えるのに最適なものとして、よく利用されています。

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

芍薬など7種類の生薬が配合されています。体力のない人に処方され、出血・貧血傾向にある人に効果的です。痛みを改善するだけでなく、貧血を改善する効果もあります。
当帰や川芎は体を温め、芍薬や甘草に痛みを抑える効果があります。神経症や冷え性に悩んでいる人に最適で、筋腫によるこれらの症状を抑えるために、これも処方されているのです。

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