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手術後のケアは?

ここでは、子宮筋腫の手術をした後に気をつけたいことについて、まとめています。

手術後の無理は禁物

無事に子宮筋腫の摘出手術が終了したからと言って、すぐに今までどおりの生活に戻るのはNG。癒着を防ぐために、適度に身体を動かすことは大切ですが、外見では分かりにくくても、体内にメスを入れて患部を取り出したことで、身体はかなりダメージを受けています。

手術によって貧血が進んでいたり、体力が低下していたりする場合は、今までと同じことをしても疲れやすい状態になります。もちろん個人差はありますが、回復状況に合わせて、無理をせず、ゆっくりと元の生活に戻していきましょう。

また、開腹手術の場合には、やはり傷口が痛むので、日常生活でも下腹部になるべく負担をかけないように心がけましょう。

子宮全摘の場合には月経は止まりますが、同時に卵巣を摘出していなければ、女性ホルモンは分泌されますので、体調にそれほど大きな変化はありません。ただ、女性として、子宮を摘出したことによる喪失感を覚える人もいるので、いずれにしても、心身ともにゆっくり休むことが大切です。

日常生活で注意すべきこと

個人差や病院による違いはありますが、だいたい退院1週間後に、最初の検診があります。ここで、まずまず体調もよく、感染症なども見られなければ、1ヶ月程度の自宅療養となる場合が多いです。

腹腔鏡手術であれば、デスクワークがメインであれば2週間程度で職場復帰する人もいます。しかし、立ち仕事や動きまわる仕事は、患部に負担がかかるので、もう少し療養が必要です。もちろん個人差がありますので、自分の体調とよく相談し、マイペースに復帰を目指しましょう。

アルコールとたばこに特に制限はありませんが、刺激物なので、やはり最低一週間は様子を見た方がよいでしょう。

食事に関しても特に制限はありませんが、インスタント類や刺激物を避け、栄養価の高いものを積極的にとるようにしましょう。どうしても手術後は貧血が進む傾向が強いので、鉄分を含む食材(ひじき・ほうれん草・レバーなど)をとるとなお良いです。

入浴と性生活は術後1ヶ月の検診で問題がなければ、 OKです。それまではシャワー浴のみとなります。

妊娠は、子宮への負担を考えて、半年ほど待ちましょう。それまでは避妊は必須になります。

子宮筋腫の手術後に起こりうるトラブル7つ

1. 再度開腹手術をする場合もある「膀胱の損傷」

膀胱は子宮に隣接している器官で、子宮全摘術などで子宮と膀胱を剥離するときに膀胱を傷つけてしまうことがあります。

手術中に気が付くことができれば傷口を縫合して対処できるのですが、気付かぬまま手術から数日が経過すると、膣などからの尿漏れが発生することがあります。

入院中であれば、膀胱にカテーテルを入れ尿取りをしておけば自然に治ることもありますが、最悪の場合、もう一度開腹手術をおこない傷口を縫合する必要があります。

【参考】全腹腔鏡下子宮全摘出術における尿路損傷回避のための工夫

2. 「尿管の損傷」で発熱・腰痛・尿漏れのおそれ

尿管は子宮のすぐ横を通っており、子宮筋腫が尿管の近くにあった、もしくは癒着を起こしていた場合、手術で尿管を傷つけてしまうことがあります。

手術中に気が付くことができれば、傷口を縫合し尿管にカテーテルを通して排尿がスムーズにいくようにすることができます。

処置をしないまま放置すると発熱・腰痛・膣からの尿漏れが発生します。処置をしてから自然に治癒することもありますが、治らない場合は開腹手術で傷口を縫合しなければなりません。

【参考】全腹腔鏡下子宮全摘出術における尿路損傷回避のための工夫

3. 腹膜炎が起こる「腸の損傷」

腸は子宮から離れているため手術で傷付くケースは少ないですが、子宮内膜症などで直腸や腸管と子宮が癒着を起こし、子宮から剥離した際に腸を傷付けてしまうことがあります。

処置せずそのまま放置すると、腹膜炎を発症します。その場合、開腹手術で傷口を縫合しなければなりません。

【参考】Dr.堤治の世界

4. 手術の縫い傷から出血してしまう

手術直後や翌日に血管を縛った糸が外れて出血してしまったり、止血した個所から再出血してしまうことがあります。その場合、開腹手術で対処することも。

また、血腫ができて発熱が続いたり、その部分が痛むこともあります。血腫が大きい場合は切開して止血したり、ドレーンを使い血液を排出したりする必要があります。

【参考】恵愛生殖医療クリニック志木

5. 糖尿病などの場合に起こる「縫合不全」

子宮筋腫を取り除いた際、残った部分の縫合を行いますが、糖尿病を抱えている人、もしくは栄養状態が悪い人などは縫合した部分がうまくくっつかなかったり、時間がかかったりします。

これを縫合不全と言い、程度が軽ければ慈善治癒で治るのを待ちますが、症状が重い場合は再手術で縫合をやり直すこともあります。

6. ガスが溜まり嘔吐する「腸閉塞(イレウス)」

開腹手術の際、長時間腸管が露出していたこと、麻酔薬や鎮静剤などの薬の影響により、数日間は腸管の機能低下が起こります。

腸管の機能低下がひどいと、腸管内にガスが溜まっておなかの張りや嘔吐が起こってしまいます。これを「麻痺性イレウス」と呼びますが、薬を使うなどして腸管の運動促進を図ったり、鼻から管を入れて溜まったガスを抜くことで対処したりします。

また、手術で腸に癒着が起こった場合には、癒着した部分で腸が締め付けられたり、あるいはねじれたりして腸管がつまることがあります。これを「癒着性イレウス」といい、麻痺性イレウスと同様の処置を行いますが、改善しない場合は開腹手術する必要があります。

7. 細菌感染による「膀胱炎」

手術後の痛みで排尿を我慢してしまうと、細菌感染による膀胱炎を引き起こすことがあります。

また、手術後は麻酔などによって抵抗力が下がっているので、膀胱炎にもなりやすい状態になっています。